KHR simulator

KHRシミュレータ
KHR-3HV Robot Simulator

※2019年11月末から、Coppelia Robotics社の“V-REP”の名称が“CoppeliaSim”に変更になりました。適宜、読み替えてください。

※KHRシミュレータのインストール方法については、“ダウンロード”ページをご参照ください。
 またKHRシミュレータの詳細は、“技術情報”ページをご参照ください。

概要

二足歩行ロボットKHR-3HV(近藤科学株式会社製。以下、近藤科学社という)のシミュレータを公開します。(これはPCソフトウェアであり、実機を所有している必要はありません。実機がなくても、二足歩行ロボットの世界を体験できます。)

Coppelia Robotics社から無償で公開されているCoppeliaSim(旧V-REP) Playerと同時に使うことで、数値計算による物理シミュレーションにより、実機を使わずにKHR-3HVの動作をCG(コンピュータ・グラフィックス)でリアルタイムに確認できます。

KHRシミュレータではKHR-3HVに搭載されているCPUボードRCB4の動作も含めてシミュレートしているので、実機と同じコマンドで制御できるようになっています。そのためサンプルモーションや既存のロボットモーションに手を加えることなく、そのまま実行できます。 また近藤科学社のモーション作成ソフトウェアHeartToHeart4(HTH4)や自作のロボットコントロールプログラムとも、容易に連携できます。シミュレータと実機を自由に切り換えられるので、シミュレータを使って開発・検証したモーションを実機で動かすこともできます。

シミュレータでは、さまざまな「チャレンジ」をしてもロボットが壊れる心配がありません。膨大な実行例から学習する「二足歩行ロボット×AI」研究や小中学校で必修化されるプログラミング教育、またホビーユースなど、幅広い利用が期待されます。

KHR simulator

※KHRシミュレータはもともと研究用に開発したものを、簡単に使えるように改変したものです。そのため、KHR-3HVやRCB4のすべての機能をサポートしているわけではありません。また、なるべく実機に近い動きをするように調整していますが、物理シミュレーションの正確さや実機の個体差などさまざまな要因により、実機と完全に同じ動きをすることを保証するものではありません。一つの参考として、ご利用ください。

最小システム要件

OS

Windows 10 (64bit) 日本語版でテストしています。Windowsのそれ以外のバージョンでも動く場合がありますが、こちらで同じ環境を用意できないためサポートはできません。

PC性能

KHRシミュレータは、リアルタイム(実機と同じ速度)で動作することを前提に設計されています。そのためKHR-3HVモデルのシミュレーションを実行した時に、CoppeliaSim画面内に表示されるRealtime fact値(実時間に対するシミュレーション速度)が1.00である必要があります。1.00に達していない場合は残念ですが、PCの性能が足りていません。 それでも動きますが動作のタイミングがずれるので、例えばロボットが倒れるなど、正しいシミュレーション結果が得られません。

Realtime fact値の測定方法については、“技術情報”ページを参照してください。

PC性能の目安を示します。物理シミュレーションは複雑な計算を繰り返しますが、モデルやシーンが比較的シンプルな場合、ある程度の性能があれば古いCPUでも問題ありません。(KHRシミュレータは、7年以上前のCore-i7 3770K環境で開発しています。)GPU(グラフィックス)ボードも、必須ではありません。また実行中のリソースモニタの結果から、Core-i7や16GBメモリでなくても大丈夫かと思います。実際に試してみてください。 (表より性能が低いPCでも動いた場合は、ご連絡ください。)

Table 1. Real time fact
PC Type CPU Mem GPU Year OS Real time fact.
DesktopCore-i7 6700 (3.4GHz)16GB(CPU内蔵)2015Windows10○ (1.0)
DesktopCore-i7 4770K (3.5GHz)16GB(CPU内蔵)2013Windows10○ (1.0)
DesktopCore-i7 3770K (3.5GHz)16GBGeForce GTX6602012Windows7(64bits)○ (1.0)
NotebookCore2Duo L7800 (2.0GHz)2GB(CPU内蔵)2008Windows7(32bits)× (0.5〜0.7)
(現在、CoppeliaSim(V-REP)はWindows7 32bits版には対応していません。)

物理シミュレーション

KHRシミュレータには、我々がモデリングしたCoppeliaSim用のKHR-3HVロボットモデルが含まれています。 Coppelia Robotics社が無償公開しているCoppeliaSim Playerをあらかじめ起動しておくと物理シミュレーションができ、KHRロボットの動きがリアルタイムでCG表示されます。 CoppeliaSim Player(Windows 64bit版)を使って、テストしています。

※ロボットモデルを自分で作成・編集できるCoppeliaSim PROは、無償ではありません。

ロボットをコントロールするもの

KHRシミュレータの他に、ロボットをコントロールするもの(HTH4や自作ロボットコントロール・ソフトウェア、あるいはリモートコントローラ KRC-5FH やMicrosoft Gamepadなど)が必要です。
※KHRシミュレータをインストールするだけでは、シミュレータ上のロボットは動きません。

なおHTH4など実機のコントロール用に作成された既存のソフトウェアとKHRシミュレータを接続するには、特別な自作ケーブルが必要になります。その場合COMポートの設定をするだけで、実機用の既存のソフトウェアがそのまま使えます。

このたび近藤科学社のご厚意によりオリジナルの HTH4 ver.2.3.0.0 をベースにして、特別な自作ケーブルを使わずにKHRシミュレータとそのまま接続できるようにした HTH4 Private版 を開発しました。また、いくつかの機能拡張も行っています。Private版の主な変更点については、“技術情報”ページを参照してください。 簡単にKHRシミュレータの動作確認をするために、インストールを推奨します。

※HTH4 Private版は近藤科学社の許可を得て、我々が改変し配布しているものです。近藤科学社が配布しているものではありません。これは近藤科学社のサポート対象外です。

使い方

KHRシミュレータ

まず“ダウンロード”ページの手順に従って、KHRシミュレータなどをインストールしてください。
基本的な使い方は、以下のようになります。
  1. KHR3_17_xx.ttt のアイコンをダブルクリックします。(“xx”にはバージョン番号が入ります。これに似たファイル名が使われている場合もあります。)これによりCoppeliaSim Playerが起動します。シミュレーションはまだスタートしていませんが、そのままで構いません。CoppeliaSim Playerを操作する必要はありません。
  2. RCBsim_xx.exe のアイコンをダブルクリックして起動します。(“xx”にはバージョン番号が入ります。これに似たコマンド名が使われている場合もあります。)CoppeliaSim Playerが起動されていると自動的に接続し、シミュレーションをスタートさせます。
  3. ロボットを操作するプログラム(例えばHTH4 Private版など)を実行します。あるいはKRC-5FHやGamepadなどを接続して、手動でロボットを操縦することもできます。(事前に設定が必要です。)
CoppeliaSim PlayerとRCBsimには、実行順序があります。RCBsimの起動時に、CoppeliaSim Playerが先に起動されている必要があります。またCoppeliaSim Playerを立ち上げなおした場合は、RCBsimも立ち上げなおさないといけません。
RCBsimの起動時にCoppeliaSim Playerが起動していない場合、RCBsimは単独で実行されます。この場合、物理シミュレーションやCG表示はできません。

HTH4 Private版については、他のソフトウェアとの実行順序はありません。

配布するRCBsimでは、17軸用サンプルモーション“Hello_KHR3(V2.3)” がダウンロードされた状態になっています。実機と同じようにHTH4を使ってこのモーションを書き換えたり、別の17軸サンプルモーションをダウンロードしたりすることができます。書き換えたモーションデータは、RCBsimを終了してもそのまま保存されます。

HTH4 Private版を利用したサンプルモーションの実行

例としてHTH4 Private版を利用した、サンプルモーションの動かし方について説明します。HTH4 Private版は基本的に、オリジナルのHTH4と同じ使い方が出来ます。HTH4の詳しい使い方については、近藤科学社のマニュアルなどをご参照ください。
  1. あらかじめKHRシミュレータを起動(KHR3_17_XX.ttt、RCBsim_XX.exeの順にダブルクリック)しておきます。
  2. HTH4 Private版を起動(HTH4PフォルダにあるHeartToHeart4_Private.exeをダブルクリック)します。
  3. HTH4 Private版のCOM選択メニューで、“‹KHR simulator›”を選択します。
    ※HTH4オリジナル版では、“‹KHR simulator›”は表示されません。
  4. サブウインドウが開いていない場合は、メニューバーの「ウインドウ(W)」から「プロジェクトブラウザ」「モーションテーブル(M)」「メッセージ一覧(I)」を開いておきます。
  5. Projectブラウザウインドウ(標準では左)で、“Hello_KHR3(V2.3)”フォルダの左の+マークをクリック(あるいはフォルダ名をダブルクリック)して展開します。 
    ※Hello_KHR3(V2.3)フォルダが表示されない場合には、サンプルモーションファイルが正しくインストールされていません。
  6. 開いたフォルダの中にある“Hello_KHR3(V2.3).h4p”をダブルクリックします。するとMotion Tableウインドウ(標準では右)に、登録されているモーションの一覧が表示されます。
  7. Motion Tableに表示されている各モーションの番号欄あるいは名前欄をダブルクリックすると、そのモーションが再生されます。 
    ※これはHTH4 Private版の拡張機能です。

※物理シミュレーションでは数値計算によってロボットの動きを求めますが、ロボットの初期状態やRCBsimとの通信タイミングの微妙な違いなどによって、必ずしも同じ結果になるとは限りません。 途中で倒れても何度か繰り返す、あるいはシミュレーションを再スタートすると、うまく動く場合もあります。 ちなみに実機でサンプルモーションを実行した場合でも、モーションによっては途中で倒れることは珍しくありません。

ご注意

ライセンス

シミュレーション

連絡先

実はKHRシミュレータなどは、すべて1人で開発しています。そのため大変申し訳ありませんが、基本的にサポートは提供しておりません。ご協力をお願いします。

    E-mail: khrsim @ _domain_
       _domain_ = “iba.t.u-tokyo.ac.jp”

参考文献

土肥 浩:「物理シミュレータを利用した二足歩行ロボット教育プラットフォームの設計と実装」, 日本情報科教育学会誌、Vol.11, No.1,pp.37-42 (2018)